ノートパソコンのバッテリー交換について



ふと、以前使っていたノートパソコンを復活させられないかなと思いました。元々私が1999年夏に買ったノートで、会社でも使っていた物。(Toshiba? pabas213 バッテリー  1999年夏モデル) つい最近まで、全てこれで作業していました。このサイトを作ったのも、このパソコンです。しかし、さすがにもう古く力不足のため、 最近ミニタワーで新しいのを自作しました。今はこいつをメインに使っていますが、ノートは横に置いていました。このノートは故障はないのですが、バッテ リーが駄目になっています。しかし真面目にバッテリーを買おうとすると、純正は1万5千円だか2万だかします。これだけ古いノートに、それだけ使う意味は あまりありません。と言う訳で断念していました。
今回たまたま、バッテリーの箱の内部の電池の入れ換えと言う方法があることを知り、その手を試すことにしました。これは、純正バッテリーケースを出来る だけきれいに開けて、中身だけ入れ換えると言うもの。もちろんメーカー保証なんて効かなくなりますが、そもそも5年前のパソコンにそんな物求めるだけ無駄 です。pabas174 バッテリーは、純正でも初期不良くらいしか対象にならないし。ただ、リチウムイオンバッテリーは注意しないと最悪爆発するらしいので、注意せねばなりません。ネットでいろいろ調べました。

batterie toshiba pabas232

 

本体付属バッテリーは、
これです。
CA54200-0521とあります。ネットで調べると、どうやらこれは、内部の電池に「PABAS067」と言われるタイプを使っているようです。
これは単三電池等と同様に規格品のようで、複数のメーカーが同じ物を作っています。最初の二桁が直径を、後の二桁が長さを表しています。つまり、直径 17mm、長さ67mmの電池です。電圧は3.6V、容量は1,200mA~1,800mAくらいまで、色々です。一般的には、この17670か、 18650と言うタイプ(これも直径、長さです。電圧、容量は大差ありません。)が使われていることが多いようです。これを複数使い、直列にしたり並列に したりして、電圧、容量を調整しているようです。他に、型番のよくわからない角型電池のようなタイプもあるようです。

 と言う訳で、次に交換用バッテリーを入手します。これは、メーカーから新品を単独で入手出来れば良いのですが、まず無理です。理由は、pa3476u-1brs リチウムイオン電 池の特性にあります。この電池は充電に神経質で、下手な充電方法だと、最悪の場合爆発するそうです。このため、手に入りません。
ではどうするかと言うと、この電池が使われているバッテリーを入手すれば良いのです。同じ型番のが手に入れば良いのですが、そうでなくても、中身だけ入れ替えれば良いわけです。

秋葉原のジャンク屋さんを覗くと、この手のジャンク toshiba パソコンバッテリー が大量にあります。出所がどこなのかわかりませんが、あるのは間違いありません。実は最 初、一つ失敗しました。17670を使っているバッテリーの型番をちゃんと調べず出かけたため、たくさんあるバッテリーのうち、どれがこの17670を 使っているか、わからなかったのです。で、適当に買ってきたのが、これ。

FMVの増設用バッテリーユニットで、FMVNBT12(CA54200-0375)だそうです。これのプラスティックの繋ぎ目にマイナスドライバーなど を当てて、少しずつこじって開けます。通称「殻割り」と言われる作業です。中身が入っていますので、出来るだけ中の方にはドライバーを入れないようにしま す。最初は渋いですが、ある程度開くと一気にいけます。
しかし、一気に開いたところで、こいつが使えないことに気づきました。これの中に入っていたのは、番不明の角型電池でした。電圧はあっているようなので使えないかと思ったのですが、大きさ的に、難しそうです。と言う訳で、ボツ。
再度、今度はちゃんと型番を調べ、使えるのをメモった上で行きます。と、使えそうなのがありました。買ったのは二つ。

樹脂の色が多少違ったり、ラベルを貼る部分の凹み等が違いますが、ほとんど同じ物にしか見えません。
喜び勇んでパソコンに付けたところ、一瞬すんなり。あとは最後のロック部分だけ、と思ったら。
ロック部分(上の画像で向かって左の Toshiba PABAS048 バッテリーで外されている部品)だけ異なりました。ここだけは、元のバッテリーから外して付け替えます。
無事認識し、普通に充電していきます。特に熱くなったりはしないので、問題はないようです。しかし、充電率が84から上がりません。数時間置いておいても変わらず。
そこでパソコンからACアダプターを外してバッテリー駆動にすると、見る間に減っていきます。残量10%程度になったところで、PABAS049 バッテリー警告が出まし た。その間、ほんの4~5分。何度かやりましたが、改善しませんでした。数度やったら、なぜか充電率100%になることもあったのですが、時間は大差あり ません。まあ、元々ジャンク品ですから、消耗している外れを引いたのかもしれません。

こちらはSONY製電池のようですが、規格は同じ17670です。次に、元からあるバッテリーを殻割りしていきます。こちらは箱を使うので、出来るだけきれいに開けていきます。
画像向かって中央部分で接着されているので、殻割りしていきます。こちらは本来中は使わないので、中身は充電制御部以外は傷ついても構わないのですが。 ショートでもさせると面倒なので、こちらも出来るだけ中の方にはドライバーを入れないようにします。最初は渋いですが、ある程度開くと一気にいけます。

まず、2つのセルが並列に繋がっています。これで電圧はそのまま、電流が2倍になります。さらにそれを1セットとして、3個を直列 に繋いでいます。これで容量はそのまま、電圧が三倍になります。結果、電圧10.8V、容量2,400mAのToshiba PABAS054 バッテリーになっているようです。一番左に 映っているのは、充電制御部です。ここはそのまま使います。
各電池の電圧を書いてみました。実測値です。右下の部分が、妙に電圧が低いのがわかると思います。しかもこの電圧、電圧の方向が逆でした。表示が-に なっている側から+になっている側に向かって、1.89Vだったのです。つまり、転極してしまっていたようです。こいつが駄目みたいですね。
こいつだけ入れ替えれば、いけるかもしれませんが。万一駄目だった場合に二度手間なので、全て入れ替えてしまいます。

各線の繋がり方をメモりながら、 PABAS066 電池を外していきます。この手のバッテリーは各セルの状態を常に監視して いるのか、単に一番端の+と-に線が繋がっているだけではありません。外す際にはある程度まではニッパーなどで切ってしまい、線などはハンダゴテでハンダ を溶かして外します。電池には出来るだけ熱がいかないよう、素早くやりましょう。熱が加わり過ぎると、電池が駄目になったり爆発する危険性があるようで す。また、温度ヒューズが駄目になることがあるそうです。
外し終わったら、先ほどばらして確保しておいた使える PABAS071 電池 と、入れ替えていきます。出来るだけ配線をいじらず、ハンダ付けしないで済むように、現物合わ せで検討です。と、今回の場合、四本と二本に分割すれば、そのまま入るのがわかりました。あとはそのとおり入れて、配線です。
ハンダ付けしたりしていたので、途中の画像がありません。電池に熱が伝わらないようにハンダは素早く、また各部がショートしないように注意しながら、入れ替え完了です。
後は蓋を閉めます。残念ながら殻割りの際に少し折れてしまった部分があるので、今回は蓋をした後、合わせ目にテープを貼っておきました。とりあえずこれでも付いています。

で、現物に装着し、Toshiba PABAS105 電源 を入れて充電します。この際には、横で様子を見ている必要があります。万一不穏な様子があるようなら、直ぐに充電を中止します。見ていましたが、特に発熱したりすることもなく、普通に充電完了しました。

あとは実験です。本来なら、何らかのベンチマークソフトでも使って厳密にやるべきでしょうが。そこまではやる気が無いので、ACアダプターを外して普通 に放っておきます。と、一時間半程度もちました。残量は順次減っていき、残量が10%程度になった時点までです。ここでバッテリー警告が出たので、再度 TOSHIBA Satellite L740 アダプター を接続しました。
その後も数回やってみましたが、特に問題無く稼動するようです。

と言う訳で、どうやら無事完了です。今回やってみた感じでは、思ったよりは簡単でした。これならまたやってみても良いかも?
とは言え、今回はたまたま運が良かっただけかもしれません。PA3356U-1BRS


(入れ替え前)
 
(入れ替え後)

http://www.batteryjp.com/toshiba-pabas209.html

http://www.batteryjp.com/toshiba-pabas218.html